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雨の日と日曜日とスルー・ジ・エイジズ

色川村ボードゲーム部 部会『スルー・ジ・エイジズ』編

農作業などに従事する者たちにとっての休日は、基本的に雨の日である。私は雨の日は、それが何曜日であろうとも、日曜日のように過ごすと決めている。普段は体を動かしているので、雨の日はできる限り体を使いたくない。だいたい映画を観たり本を読んだりして過ごす。

しかし、数年ほど前から映画と読書に気が乗らない日が多くなった。なにかヒリヒリするような体験を欲していた。

そして見つけた。ヒリヒリ体験=真剣勝負だと。

相手の剣先を眼前で見切りながら、渾身の一太刀で勝負を決める。私は乾坤一擲を求めて将棋や麻雀などもして好きだったが、初心者と熟練者の実力差があると盛り上がらない。ゲームが一方的な展開になると、勝っていても負けていても同じくらいつまらない。
求めていたのは、ハンニバルにおけるローマ軍との戦いや、アリ対フォアマンだった。勝負は拮抗、実力伯仲のシーソーゲームを演じてみたかった。

そこで入手したのが、ボードゲーム『スルー・ジ・エイジズ』だ。

スルー・ジ・エイジズってなに?

『スルー・ジ・エイジズ』は文明発展系歴史シュミレーションボードゲームだ。時代は古代から始まり、中世、大航海時代、近代へと流れる。時代を表現しているのは300枚を超えるカードで、故にルールテキストも満載だ。

重量級ゲームに慣れている手練れの諸兄たちも、ルールの量の多さに脱糞するに違いない。概要には「推奨年齢は14歳以上」「プレイ時間2時間以上」と記載してあるが、個人的にはこのゲームを中学生がプレイするとは考えにくい(スーパー中学生なら可能だろう)。そしてプレイ時間は最短でも5時間は必要だ。私のようなパンピーなら、休憩を入れて7時間は必要だと思う。あくまで、〜以上と推奨されてる事に留意されたし。

プレイ忘記録

2024年2月某日。朝から降り続いた雨は、午後になっても止む気配がない。そんな憂鬱な日だったが、私は仲間3人と共に、最高の時間を過ごすことになった。
舞台となったのは、村にある小さなゲーム部屋。そして、部会のプレイリストは『スルー・ジ・エイジズ』だ。

ゲーム開始前、私たちはそれぞれ異なる文明(個人ボードの色が違うだけ)を選び、歴史の旅路に足を踏み入れた。古代から始まり、中世、近代へと時代が進み、各文明は独自の文化、科学、軍事力を発展させていく。ゲームはカードドラフトとアクション選択によって進行し、資源を獲得したり、建物を建設したり、戦争を仕掛けたりと、様々な手段で文明を繁栄させていく。

戦略と運のせめぎ合い

ゲーム中、最も重要になるのは資源とアクションの管理だ。限られた資源を有効活用し、どのアクションを選択するかが、文明の運命を左右する。
さらに、カードドラフトでは、未来の戦略に必要なカードを獲得しなければならない。しかし、欲しいカードが必ず手に入るとは限らない。運と戦略の両方が求められるスリリングなゲーム展開に、私たちは熱中していった。

数時間にわたる激戦の末、ついにゲームは終盤を迎えた。各文明はそれぞれ異なる道を歩み、独自の繁栄を築き上げていた。
そして、最終的なスコア計算の結果、私の文明は見事勝利を掴むことができた。

雨を忘れさせてくれる最高のゲーム

雨音をBGMに、仲間と共に歴史を駆け抜けた時間は、まさに最高の一言だった。
『スルー・ジ・エイジズ』は、文明の発展という壮大なテーマを扱いながら、戦略性と運の要素を絶妙なバランスで融合させたゲームだ。

プレイ後は、まるで歴史の旅を終えたような達成感と充実感に包まれる。
雨の日は、家でゆっくりと過ごしたいという人も多いだろう。しかし、そんな日こそ、仲間とボードゲームを楽しむ絶好の機会だ。
『スルー・ジ・エイジズ』は、雨の憂鬱を吹き飛ばし、最高の思い出を与えてくれる。

プレイ後の感想

歴史をテーマにした壮大なゲーム世界に没入できた。戦略性と運の要素が絶妙なバランスで融合しており、最後まで目が離せない展開だった。
仲間と熱い議論(ミスを指摘したり、されたり)を交わしながらプレイする過程が非常に楽しかった。雨を忘れてしまうほどの充実感を得られたが、時間が溶けるので注意が必要である。

歴史好きはもちろん、戦略ゲームが好きな人にもおすすめ。2〜4人でプレイできるので、少人数でも楽しめる(個人的には4人プレイがベストだと思います)。
プレイ時間は5〜8時間と、かなり重いがゲームを通して歴史や戦争について学ぶきっかけを与えてくれるだろう。

次回は、今回プレイした『スルー・ジ・エイジズ』の拡張セット『ニュー・ストーリー』(日本語版は未発売)に挑戦したい。さらに複雑なゲーム展開を楽しめるとのことなので、今から期待が高まっている。